ガラス修理・ガラス交換に関するコラム
ガラスができるまで
近年、防犯対策や防音、結露対策などで特殊なガラスの需要も高まっています。そのガラスを作るためにも欠かせない板ガラスの製造過程をご紹介します。
1、原料の調合
ガラスは珪砂を主原料とし、ソーダ灰や石灰石、カレットと呼ばれるガラスくずなどを加えて作られています。これらの原料をコンピュータ制御のもと混ぜ合わせ、溶解炉の投入口へ送られます。
2、溶解
調合したガラスの原料を高温で熱して溶かす工程のことを「溶解」といいます。溶解炉の中の溶解槽に原料が運ばれ、バーナーの炎を使った1600℃以上の熱で溶かされてガラス素地となります。バーナーの火力はコンピュータによってコントロールされおり、燃焼効率を高めるために左右に配置されたバーナーから交互に炎を吹き出すようになっています。
3、清澄
溶解工程においてガラス素地には泡ができてしまいます。泡が入っているガラス製品は価値が低くなるため取り除く必要があり、そのための工程が「清澄」です。溶解槽にて1600℃に溶けたガラス素地の温度は、清澄槽に流れる過程で約1300℃~1100℃に下がります。この過程で溶けた素地から泡が外に吐き出され、均一の素地になります。
4、成型
成型にはフロート法と、ロールアウト法の2種類があります。
フロート法
「フロート法」は歪みのない水平な板ガラスを作る時に用いられる製法のひとつで、溶解炉から出てきた溶けたガラス素地をフロートバスと呼ばれるエリアで成型していきます。
フロートバス内は溶かしたスズで満たされています。スズは水と油のようにガラスと混ざり合うことがなく、またガラスよりも比重が大きいという特徴があるため、流し込まれたガラス素地はスズの上を浮きながら流れていきます。
この時、液体であるガラスとスズの間に界面張力が働き、接している境界面は完全に水平となります。またガラスの表面にも張力が働いて水平になるので、表裏ともに完全に水平で研磨の必要がない板ガラスを成型することができます。
ロールアウト法
「ロールアウト法」は型板ガラスや網入りガラスを作る時に用いられる製法です。
溶融窯から溶けたガラスが出てくる所に2本の水冷ロールがあります。このロールは成型ロールと呼ばれ、溶けたガラスを引っ張り出しながら板状に成型していきます。この時に下側のロールに彫刻されている模様をガラスに連続転写したり、網をロールの間に入れることでガラスに加工を施します。
5、徐冷
ガラスは冷める過程で歪が生じます。冷め方が均一ではないため、引っ張りや圧縮が起きるからです。歪が生じたままのガラスは割れやすく危険ですので、必ず取り除かなければなりません。そのための工程が「徐冷」です。
字の通り徐々に冷ます作業です。急激に冷ますと歪が生じやすくなるため、ゆっくりと温度を下げる必要があります。徐冷炉にて成型されたまだ熱い板状のガラスを、均一にゆっくりと冷ましていきます。
6、切断
製品に合わせて適した大きさにガラスをカットします。この工程が「切断」です。ライン上を流れるガラスの板にまずはカッターで上からキズを入れ、その後、下から衝撃を与えることできれいに切断することができます。ラインの速度に合わせて斜めにカッターを走らせることで、切り口を真っ直ぐにすることができます。カットされたガラスの余り部分は、再び原料として使用されます。
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